『副作用 その薬が危ない』 大和田潔著 祥伝社新書
タイトルには、“その薬が危ない”というドキッとするような副題がついています。この副題だけ読みますと、“薬ってそんなに怖いのか!”と思ってしまいがちですが、しかし内容は、下手に薬への恐怖感を煽るようなものではありません。むしろ、安全に薬を利用するための上手な付き合い方を記した本といえます。そして記述も、お医者さんと患者様のやりとりを再現したドラマ仕立てのお話や、薬を理解するために必要な病気のメカニズムの解説など、図も入るなどして、一般の方にもわかりやすくなっています。 “副作用のない薬はない”と言われますが、素人では薬の副作用を理解して薬を選ぶことは出来ません。お医者さんが処方してくれたものを飲むしかありません。薬は全て安全である、お医者さんが処方してくれたんだから間違いはないという認識の下に、私たちは薬を飲むわけですが、場合によっては副作用が出る場合もあります。このときに、その副作用について理解をしておかないと、自分の病態には合わないものを長年のみ続けるという不利益を蒙ることになりかねません。お医者さんも神様ではありませんので、その薬によってどのような副作用が起きるのか、患者サイドからしたら、その度ごとに経過を報告することが大切になります。より身体にあったものを処方してもらうためにも、自分の身体と薬の関係がどのような経過を辿っているのか、副作用のリスクと副作用が起きがちな病と薬を、ケーススタディを通しながら理解できる本となっています。
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