『宮本式・ワンランク上のサッカー観戦術』 宮本恒靖著 朝日新書
今となってはだいぶ前の話でありますが、サッカー日本代表が一段レベルアップした時代は、中田英寿や小野伸二などの黄金世代を擁したトルシエ・ジャパン。日韓開催という地の利はあったとは言え、初めて本戦に出場した実績や、ここから日本人選手が海外で活躍するようになったことを考えると、やはりその存在は日本サッカー界にとっても大きな転換期だったのではないでしょうか。
そのトルシエ・ジャパンの頭脳とも称されたのが、本書の宮本恒靖氏。
トルシエ・ジャパンの戦術で特徴的だったのは、フラット・スリーと呼ばれる守備体系。オフサイドトラップを巧みに動かしながらの守備は、いろいろな批判がありながらもそれなりに機能していました。
本書は、そのフラット・スリーという守備の要であった宮本恒靖氏。だからこそ磨かれた戦術眼であったりもするのではないでしょうか。
本書が出版されたのは2012年なので、移り変わりが激しく、4年に一度のワールドカップからすると、事例は古いものになっているのは否めません。しかしそれを度外視にしたとしても、その内容はサッカー観戦力に役立ちます。ディフェンダーから見た戦術論という面からも、新たなサッカー観戦術を身につけることができると思います。
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